Wine Column

「アーカイヴス ワイン業界」

2009年の年末に輸入ワインの業界の変遷について記録を留めておきたい。

1970年代のワイン業界ではまだ黎明期で小売マーケットでは大手ではサントリー社輸入のカルヴェ社、ジャーデン・マセソン社輸入のクルーズ社のが中心であった。また 勃興しつつあった業務用マーケットではバークレー社がルイ・ラツール社のブルゴーニュ・ワイン、同じユダヤ系のレビ氏が経営するジンマーマン商会がコーディア社のボルドー・ワインで席巻していた。余談であるがレビ氏は韓国にもジンマーマン商会を経営しており、後の韓国でのシャトー・タルボの知名度の高さの礎となった。シャンパーニュは小売りマーケットではジャーデン・マセソン社のモエ・エ・シャンドン、ドッドウエル社のポメリーと2分され、業務用マーケットでは当時日本酒類販売が輸入していたヴーヴ・クリコ社が健闘していた。

1970年の後半から80年代は業務用マーケットや一部のワインファンの間でで銀座の三美(ミツミ)、出水商事の存在が大きいものになっていった。なぜなら両者とも 特にブルゴーニュの専門的なワインを輸入し、大手ネゴシアンのワインに満足をしなくなった消費者の希望に応えていった。

三美はワインのみならず、銀座のクラブ中心の業務用マーケットでも大きな存在で、経営者の女性 原田女史は初めリコーの三愛ビルの地下で雇われてウイスキーやブランデーを販売していた。彼女はいわゆる枠の時代(商社の輸入割当があった時代)に米軍が持ち込んだウイスキーやブランデーをいわゆるクラブ・マーケットに横流しをして成功、独立した時に三愛の三と女性ゆえに美の名前を当時の有名な三愛の社長から贈られた。

ワインは2名のT氏が山本 博先生の指導の下 優れたドメーヌのワインを揃え、輸入元として協力したのが合同酒精とトーメンであった。また当時 専門的なワインの本がなく(今では考えられないが)、唯一のバイブルといってよい本が後のソムリエ協会の初代会長となる浅田氏の著書「ワインのサーヴィスと知識」であった。この本はまだT氏が出版社に居る時に、パレスホテルを訪ね 料理長が我ホテルのバーテンでワインについて書き溜めたものがあると聞いて出版したものである。その後 三美のワインは終焉を迎えるが、そん後 多くのワインはラック・コーポレーションや豊通食料、そしてヴァン・パッションに引き継がれて輸入され今日に至っている。

出水商事は初め上野のトキワ貿易に勤めていたY氏が独立して優れたワイン(例モロー社、ジャン・ルイ・シャーヴ社、シャトー・ド・シャミレイ)などを輸入した。何と言ってもジョルジュ・デュブッフ社のボジョレー・ヌーヴォーを航空便で輸入して、後のボジョレー・ヌーヴォー・ブームの先鞭をつけた。今でも輸入業者として続けているが、多くのブランドは他社の輸入となっている。

1990年年代にはワインがウイスキーやブランデーに替わって、花形の輸入酒類となっていったがフランスやイタリア・ワインは勿論 新世界のワイン(カリフォルニア、豪州、南米)など数多くのワインが輸入され知られることとなった。また仏ブルゴーニュではルイ・ジャドー社などの優れたネゴシアン・ワインといわゆるドメーヌ・ワインとが競合し、アメリカのワイン評論家ロバート・パーカー氏の知名度と点数評価が話題となった、特にボルドー・ワインは彼の点数が販売に多くの影響を与えた。また輸入販売に際しての温度や湿度の管理の意識も広まり、優れたワインはリーファー便で輸入され、温度管理された配送が始まった。

今では当たり前のように販売されたり、飲まれているワインも時には過去の歴史を振り返ってみるのも面白い。やがて忘れられないように!

(2009年11月27日更新)


Copylight (c) 2000-2013 Liquor Shop Ai


株式会社 リカーショップ愛  東京都中央区日本橋小伝馬町19-3 池田ビル3階
TEL. 03-5643-5237 FAX. 03-5643-8526
電話でのお問い合わせは午後0時〜午後5時までとさせていただきます。
リカーショップ愛は通信販売酒類小売業免許を付与されております。