「フランス・ワインの価格動向」

昨年のリーマン・ショックから世界の高級ワインマーケットが減退、日本ではユーロ高(今年の春には落ち着いたが)の影響もあってフランス 特に高級ワインの販売は低迷している

2005年のボルドー・プリムール価格が過去最高を記録しながら、再び価格の下降が見られるプリムール価格。
2008年のボルドー・プリムール価格の裏話から始めよう。

今年4月の第2週にボルドー5大シャトーの支配人達が集まって協議した。
もちろん議題は今年のプリムール価格、今年はなるべく早く価格を抑えて発表する事が合意された。
その席上で決まった価格は1本120ユーロだったが、翌週の月曜日にトップを切ってシャトー・ラトゥールが発表した価格は130ユーロ。ラトゥールの支配人アンジェレール氏はすぐにバリ島へヴァカンスに出かけた。
シャトー・ムートンは皆が120ユーロを守ると思い次に120ユーロで発表、続いてシャトー・マルゴーもシャトー・ラフィットもラトゥールから10ユーロ劣りたくないという思いから130ユーロで発表。シャトー・オーブリオンは150ユーロで発表、05年の仇討ちとなった。なぜなら05年では唯一オーブリオンが安く発表してしまったから。

続いて2つの余談を。
シャトー・ピション ラランドは所有者のルイ・ロデレール社の経済状況が思わしくないことから、39ユーロとこの10年間の最安値で発表。しかしその後パーカー・ポイントは94ー96点がついて史上最高の評価となった。

中国マーケットに圧倒的に強いカリュエード・ラフィットが価格の発表と同日にレヴァンジルとリューセックのプリムール価格も発表された。しかも後の2つのシャトーは切り離されての販売だったために、後の2つを発注しなかったネゴシアンも多い。しかし後の2つのシャトーを発注しなかったネゴシアンへのカリュエード・ラフィットの割り当てなしが発表された。

以上のように価格が安くなってまずまず販売された2008年のボルドー・プリムールだが、ここ数年の価格高騰の傷跡は深い。例えば2007年はすでに販売が終わっており、シャトー・ジスクールがケース1本付を発表するなど、今後の2007年販売の苦労は目に見えている。

しかもここ数年の乱高下で世界のボルドー・ワインの信奉者への信頼を幾らか失った事も大きい。
明るい話題はここに来てお買い得なボルドー・ワインを見つけられるようになったが・・・・・。

一方ブルゴーニュ・ワインは乱高下がないものの、ヴィンテージに関係なく確実に少しづつ値上がりをしている。以前は圧倒的にお買い得なブルゴーニュ・ワインが散見されたが、近年は評価の高い造り手のワインは確実に価格が高くなっている。

ブルゴーニュ・ワインはその出来は天候に左右される面も単一品種ゆえに多い。
05年は評価も高く皆が買いに走った、その後の06年・07年の販売はやや低迷している。実際には白ワイン07年の評価は高く、ある生産者に言わすと92年以来の出来と言っていた。

また10年ほど前はネゴシアン対ドメーヌの構図であったマーケットが第3局の台頭で少し変化している。その第3局とはミクロ・ネゴシアンとかヴィティクルチュール・ネゴシアンと呼ばれる。
例えばドミニク・ローラン氏、フレデリック・マニャン氏、ダヴィド・デュバン氏、ニコラ・ポテル氏、パスカル・マルシャン氏、バンジャマン・ルルー氏など畑はほとんど所有していないが(最近少し所有)、優れたぶどう生産者とつながりがあり、優れたぶどうが得られて彼らの醸造技術を活かしたワイン造りが可能となった。

以上見たようにフランスでも生産地域によって事情は異なっているが、それぞれの中で苦闘しながらも優れたワインが多く産まれてきているのも事実です。

まだまだ我々には価格が落ち着けば、十分に楽しめるワインが多い。

(2009年7月31日更新)


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