「クロ・ド・タール醸造責任者 シルヴァン・ピティオ氏とお話しして」

45月末に仏ブルゴーニュの特級 クロ・ド・タールの醸造責任者シルヴァン・ピティオ氏と お話しする機会がありました。氏は醸造は勿論 地質学者であったので、ブルゴーニュ の歴史や地質に詳しくとても造詣の深い方でした。

「我々はボルドーの格付けが1855年のパリ万博を契機に作られたことは知っていますが、 今のブルゴーニュの格付けはいつ頃できたのでしょうか?」
「それは第一段階として1935年にINAOとして法制化されたのが始まりです。」

「1935年というと第2次世界大戦前ですね。」
「そう、1930年が世界恐慌ですから。その5年後ということです。ただい 中世の修道士特にシトー派の人たちが賢く、経験的によいぶどうが産まれる土地を見抜いていました。」
「やはり 修道院のぶどう作りに果した役割は大きいんですね。」
「40年ほど前にドン・ニーズという修道士が12世紀初頭にブルゴーニュのワイン作りについて書いた本が発見されました。」

2004年、2005年、2006年のクロ・ド・タールを試飲しながら。
「この三つのヴィンテージの特徴は何ですか?」
「2004年は選果台でいっぱいてんとう虫を見つけた年でした、やはりタンニンの性格がよく出た年と言えるでしょう。2005年はすべてがうまく行った年で、この年は悪いワインを造るほうが難しいと言えます。 2006年はチャレンジの年で、長期保存が可能なワインが産まれたと思っています。」

「やはり一般的には言われているように、2005年が素晴らしい年ということですね。」
「そうです、やはり優良年以外でも選果台の導入でぶどうを選別するようになったことはとても進化だと思います。」
「誰が初めに選果台を導入したんですか?」
「私の記憶では1980年代後半にDRCが選果台を導入して、普及したと思います。」

「DRCというと我々は全房発酵の代表、かたやアンリ・ジャイエが徐梗発酵の代表として考えていますが・・・・。」
「ヴィレーヌさんも友人でよく話をします。やはりDRCも年によって、あるいは畑によって徐梗するかどうか決めているようです。アンリ・ジャイエ氏も同じです。」
「デュジャックのジャック・セイス氏とブラインド・テストして除梗をテストしますが、二人とも当たりません。」

「それほど微妙なものなんですね。」
「そうです、機械的に全部除梗するのはドメーヌ・ダルロだけでしょう。」

「そういえばクロ・ド・タールとボンヌ・マールは隣接していますが、それぞれ近いところでそれほど異なったぶどうが産まれるものでしょうか?」
「実を言うとクロ・ド・タールの最もボンヌ・マール寄りにはぶどうは植えてなくて、トラクターがターンする場所になっています。」
「そうなんですか。」
「リューディとクリマの違いをご存知ですか?」
「知りません。」
「リューディは川とか道とか自然で区切られた概念、クリマはワインの味わいの特徴からくる概念です。」
「難しいんですね。」
「簡単な例はヴォルネイ・サントノーはリューディ的にはヴォルネイですけど、クリマ的にはミュルソーになる訳です。」
「なるほど。」

氏の暖かいお人柄と博学な知識にクロ・ド・タールで乾杯!

(2009年6月30日更新)


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