シャプティエ社のミッシェル・シャプティエ氏が久々の来日、またシャブリでドメーヌ・ラロッシュのミッシェル・ラロッシュ氏とも別の機会でお話ができました。
ミッシェル・シャプティエ氏が両足杖をついて現れたのにはビックリした、何と通風を患っていらっしゃるようで。でも相変わらずお元気でした。
以下面白いお話しがあったので、ご紹介します。
「自然界に悪者はいない、問題はある特定の菌だけが増えることである。 ミルデューやオイデューム、ボトリティスなどもそれ自体は悪者ではない。 しかし除草剤を使えばすべての菌を殺してしまう。 そうすると菌は我々の攻撃に耐えるべく数を増やそうとし、次代に向けて 耐性を高めてしまう。」
なるほど人間界の矛盾をついている。
「世界のぶどう畑はすべて接ぎ木や挿し木で植え替えられている。一般に 動物は100代もの長い年月をかけて環境に適合するが、植物は2,3代で環境に適合できる。 しかしクローンの接ぎ木で環境への適合が止められてきた、次の仕事は 実生栽培をして根の表皮が厚い種を作り出すことだ。」
そうなんだよね、フィロキセラ以来 ほとんどのぶどうの樹が台木に接ぎ木して育てているんだよね。でもフィロキセラに耐える根を持つぶどうを育てるには時間もかかるし大変だなあ。
次にお会いしたミッシェル・ラロッシュ氏はシャブリのドメーヌを発展させ、25年前にはすでに南仏にも畑を取得していた。
「シャブリのグラン・クリュ ブランショに初めてスクリュー・キャップを使用した時に いろいろ周りから言われませんでしたか?」
「私は人の言うことは気にしないから。」
「スクリュー・キャップでも長期熟成は可能ですか?」
「皆知っていることに大きい容器に入っているワインほど、保存状態がよいって事が あるよね。それはなぜかと言うとワインに対して触れる空気の量が少ないからでしょ。 スクリュー・キャップの方がコルクより密閉度が30倍あるわけ、したがって空気に 触れる量も少なく、大きい容量のワインと同じ訳よ。」
なるほど、そう言う考え方もあるか。何かちょっと違う気もするが説得力はあった。
「所有されているシャブリの畑の中でどこの畑がお好きですか?」
「ウーン、まず畑によって台木も違うわけよ。例えばブランショのように石灰岩が多い 畑にあった台木があるわけ、それによって味わいも違ってくるんだ。」
「なるほど。つまり土壌によって台木も変わり、味わいも変わるわけだよね。」
「そうです、まあ専門的な話だけどね。」
ここのところ台木の話まで、ついいってしまうことが多い。つらいなあ。
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