「アルコール度が高くて黒い色のワイン」

アメリカ在住のカウフマン恵美子さんから時の話題と題したメールを頂いた。
著名なダン・ヴィンヤードからのプレス・リリースの内容だった。

平均的なワイン消費者はワイン評論家に反対の声を上げる時期になった。なぜならワインのアルコール度が高くなっている現状を止めるべきだ、食事には合わないし、ワイン評論家は1杯のワインで評価するためにアルコール度数の高いワインに高得点をあげる傾向がある。ワインに含まれる微妙なテロワールの味がなく、似たり寄ったりのワインばかりになっていると断じている。

確かに毎月かなりの数のワインを試飲するが、グラスに注いだ瞬間に真っ黒なワインにはがっかりとしてしまう。
そんなことを言うと必ずあなたは年をとったから凝縮感のあるワインやアルコール度の高いワインがつらくなってきているんだよと言う輩がいる。
冗談じゃない昔から坂口 謹一郎先生が喝破されたように「酒とは口中でするりと飲める酒をもって極上とする」と相場が決まってるんだ。

じゃあなぜアルコール度の高いワインが増えてきたのだろう?
彼女の文章にも考えられる理由が列挙されている。

  1. アメリカではフィロキセラ後に房に日がよくあたる栽培方法に変えたため、糖度があがりやすくなった。
  2. 病害に強いクローンが登場し、糖度があがるようになった。
  3. 地球温暖化で平均気温が上昇した。
  4. スーパーイーストの使用で糖度が高い効率でアルコールに変換されるようになった。
  5. ハングタイムが長くなり、糖度が高い状態で収穫されるようになった。
  6. ワイン評論家がアルコール度の高いワインに高得点を与えたためトレンドになった。

1970年代のカリフォルニアではアルコール度数は平均的に12,5%から13,5%がほとんどだったが、昨今15%や16%のワインまである。上記の理由を中心としてアメリカ独自の理由もあるだろう。

またフランス・ワインでも同じような傾向は感じられ、特にボルドー右岸のワインでは真っ黒でアルコール度の高いワインがよく見受けられ、アメリカ・マーケットでは高い評価を得ている。
シャトー・パヴィをめぐるワイン評論家のアメリカ対イギリスの論争も上記のワインへの評価が分かれることからきているとも言える。

またブルゴーニュ・ワインも少しそれらの影響を受け始めているが、個人的には色合いは濃くないが何ともしみじみとした味わいを持つブルゴーニュ赤・ワインが好きである。
例えば惜しむらくは引退してしまったジャン・ラフェ氏が造る赤などは、滑らかで優しいが味わい深いものがある。
またドゥ・ラドセット男爵はもともと樽使い過ぎのワインは嫌いで、彼がブルゴーニュに進出して造るワインはやはりしみじみと味わえるものが多い。

数年前にクリスチャン・ムエックス氏が来日され1998年産の同社のワインを氏を囲んで試飲した時のこと、シャトー・ペトリュスも含めて彼が言った言葉を思い出す。
「グラスのワインをよく見てください。うちの赤ワインには黒い色が無いでしょ、本来赤ワインはこのように赤い色をしているものです。」

(2007年10月1日更新)


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