「ヴィンテージ89年と90年」

 90年特にフランス・ボルドーにおいては赤ワインが高い点数をパーカー氏がつけたりしたので、大変に評判になってから早くも10年あまりが経過しています。当初から確かに90年のボルドーは優れたヴィンテージだが、やや過大評価というのが私の印象でした。なぜなら果実の熟成は素晴らしいが、やや酸が不足していて長熟には疑問をもっていました。

しかし90年の価格というのは、88年・89年・90年と三年間比較的に良い年が続いた事と世界の経済状況(特にアメリカ)があまり良くなかった事で、当初の価格は今考えれば安いと言ってもよい程でした。その後95年のボルドー価格の高騰によって90年の価格は上昇しました。これとは逆に2000年のボルドーは初めから高いプリムール価格がついています。これはアメリカの買いが強かった事と90年代以降ワインが投機の対象になっているからと思われます。2000年の価格が90年とは逆に下がるかどうか興味のある所です。

さて話しを本題に戻して、最近の外国のワイン本を読むと特別な試飲会でシャトー マルゴーやムートンの89年が90年を上回ったなどの記事があり、89年の評価が上がっています。確かに私が最近飲んだシャトー ラツール90年が熟成が進み過ぎていたり、パヴィやタルボでも90年より89年の方が好みでした。またローヌ ヴィラージュのマグナムの試飲でも、イタリア バルバレスコの試飲でも89年の方が90年よりも複雑さが感じられました。

すべてがそうとは思いませんが、高い90年をお求めになるのでしたら、お買い得な89年を少なくともヨーロッパの赤ワインでは探されるのも一興でしょう。先日 シャトー ペトリュス98年を飲みながら、クリスチャン ムエックス氏がもらした一言が心に残っています。「日本にくるとホットします。日本の人々はワインを飲むために買ってくれるからです。」自分が懸命に造ったものが投機の対象になった人の偽らざる心境でしょう。

(2001年9月16日更新)



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